2012年 06月 26日
マリア フランチェスコの傘 |
マリア フランチェスコの傘です。
ここのところ傘が続きますが、梅雨なのでご勘弁ください。
マリアフランチェスコはイタリア随一の傘の老舗で
ヨーロッパの一流ブランドのオリジナルも手がける
ファクトリーブランドです。
熟練の職人が丁寧に手作業で一本一本作り上げています。
日本ではエリオポールやユナイテッドアローズ
バーニーズなどで扱っています。
数年前にミラノに行った際、ここの傘を買って帰りたいと
東京から雑誌の切り抜きと住所を控えて持って行きました。
ミラノに着いて、住所を頼りにその場所まで行ってみると
「移転しました」のお知らせと新住所が建物の入り口に貼って有りました。
困ったなと思いましたが、折角ここまで来たので、その住所を控え
いったんホテルに戻り、コンシェルジュに住所を見せると
ホテルから車で15分くらいの場所だとわかりました。
そのままタクシーを呼んでもらい、いざショップへ。
そう、このときまでずっとショップだと思っていたのです。
タクシーが止まり着いてみたら完璧な住宅街で、
「えーこんなところにショップがあるの~??」と
急に心細くなってしまいましたが、ドライバーが指差す方向に
探していたマリアフランチェスコのロゴが・・・。
でも、ショップはどこにもなくて・・・。
ガーン!「これって、会社じゃない!!」
だけど、ここまで来たんだし、ミラノ市内の取り扱い場所だけでも聞いて帰ろうと
スタスタと会社の中に入って行きました。
アパレル出身の強みか、「あっ、ここは荷捌き場ね、奥は商品管理かな?
営業部なら教えてくれるよね、そういえば受付なかったな~」などと
一人でぶつぶつ言いながら奥に進んで行き、最初に目が合った女性に
声をかけたところ、英語がまったく話せない人でした。
まあ、私の英語なんて中学1年生の赤点ギリギリレベルなので
いくら「R」の発音を頑張って相手に伝えられたとしても
返ってくる返事がわからなかったりするから
ペラペラじゃないカタコト程度が良かったりしますが、
イタリア語オンリーの人だと何も聞けない。
ブォンジョルノ、アリべデルチ、ボーノで
やり過ごし、どうにもわからないときは「マンマミーア」で
誤魔化すという私なので、困っていると
中から少し英語のできる女性が「もうじき、マリア フランチェスコ本人が
帰ってくるからそれまで待って。彼は英語が話せます」と。
マリア本人?ゲッ、大事になってるけど、逃げ帰るわけにも行かず
ぽつんと、荷捌き場の端っこで待っていました。
しばらく待っていると、むこうから、少し足早にフランチェスコ氏登場!!
口ひげがダリのようでちょっと個性的なおしゃれな紳士。
会うなり早口のイタリア語でまくし立てると、英語に切り替え
「あなたはどこのバイヤーなの?」と聞くので
「私は旅行者でここの傘を買いに来ました。」
「ここは会社ですよ。傘が欲しいの?」
「ここでは買えないですか?ならば、市内で買えるお店が知りたいです」
とこんなやり取りをしていると、何度も、
「本当にバイヤーじゃないの?」と繰り返し聞くので
バッグから本人が写っている切り抜きを取り出し、
「日本から傘を買いに来ました。雑誌に載っていたこの住所に行ったら
こちらだと貼ってありました。だからここに居ます」と答えると
フランチェスコ氏はやっと信用してくれたようで
さらに、日本から切り抜き頼りにここまできた日本人が
初めてだったらしく(あたりまえか)ちょっと嬉しくなったみたいで
ニコニコしながら会社中を案内してくれました。
そこにはエルメス、ヴィトンなど
名だたる有名ブランドの出荷待ちの商品が置いてあったり、
日本のメーカーから発注された傘が完成して棚に並んでいました。
私がいちいち、「これ知ってる、あっここも知ってる」とか
リアクションしてるとまた
「本当にバイヤーじゃないの?」って、わざとニコニコしながら聞きます。
一通りみせて頂いた後に、本来の目的である傘が欲しいことをもう一度伝えると
可愛い肉厚の生地が張ってある傘本体を指して
「ここの中ならいいよ、何本欲しいの?」と聞かれたので
「えっ!?ここで買えるんだ。なら一本、あっ、やっぱり二本」と答えました。
友人の分も頼まれていたので、私のは水玉、友人のはストライプで
選び、持ち手の素材の希望を聞かれたので
チェリー、マラッカ、ウォールナッツ、バンブーの中から
「マラッカ」を選びました。
傘に持ち手をつけてもらう間、フランチェスコ氏のところには
傘の張りの具合や完成品の最終確認に職人さんが商品を持ってきます。
ヴィトンのカラフルな傘もチェックされていました。
お会計はいくらかな?日本の半分以下なら嬉しいななどと
思って待っていると、出荷伝票のような紙に金額をいれて
持ってきてくれました。
「えー???安い!!!」
「バイヤーではないんでしょ?
でも、このプライスはだれにも教えないで、秘密だよ」って
社員だってこの金額じゃ買えないんじゃないかと思う金額でした。
「やったー、来た甲斐あったね。」と心の中で叫んでいました。
安かったのは素直に嬉しかったけど、買うまでのエピソードが、
この傘の付加価値になったことは言うまでもありません。
帰りに、私が持ってきた雑誌の切り抜きをコピーさせてと仰るので
「プレゼントします」と渡してきました。
皺にならないようにファイルに入れていってよかった。
お土産に傘を渡した友人いわく、
「そんなに安かったら、もっと買ってくれば良かったのに~」だって。
わかってないな~、たった1本だからいいんじゃない、ねえ。
ここのところ傘が続きますが、梅雨なのでご勘弁ください。
マリアフランチェスコはイタリア随一の傘の老舗で
ヨーロッパの一流ブランドのオリジナルも手がける
ファクトリーブランドです。
熟練の職人が丁寧に手作業で一本一本作り上げています。
日本ではエリオポールやユナイテッドアローズ
バーニーズなどで扱っています。
数年前にミラノに行った際、ここの傘を買って帰りたいと
東京から雑誌の切り抜きと住所を控えて持って行きました。
ミラノに着いて、住所を頼りにその場所まで行ってみると
「移転しました」のお知らせと新住所が建物の入り口に貼って有りました。
困ったなと思いましたが、折角ここまで来たので、その住所を控え
いったんホテルに戻り、コンシェルジュに住所を見せると
ホテルから車で15分くらいの場所だとわかりました。
そのままタクシーを呼んでもらい、いざショップへ。
そう、このときまでずっとショップだと思っていたのです。
タクシーが止まり着いてみたら完璧な住宅街で、
「えーこんなところにショップがあるの~??」と
急に心細くなってしまいましたが、ドライバーが指差す方向に
探していたマリアフランチェスコのロゴが・・・。
でも、ショップはどこにもなくて・・・。
ガーン!「これって、会社じゃない!!」
だけど、ここまで来たんだし、ミラノ市内の取り扱い場所だけでも聞いて帰ろうと
スタスタと会社の中に入って行きました。
アパレル出身の強みか、「あっ、ここは荷捌き場ね、奥は商品管理かな?
営業部なら教えてくれるよね、そういえば受付なかったな~」などと
一人でぶつぶつ言いながら奥に進んで行き、最初に目が合った女性に
声をかけたところ、英語がまったく話せない人でした。
まあ、私の英語なんて中学1年生の赤点ギリギリレベルなので
いくら「R」の発音を頑張って相手に伝えられたとしても
返ってくる返事がわからなかったりするから
ペラペラじゃないカタコト程度が良かったりしますが、
イタリア語オンリーの人だと何も聞けない。
ブォンジョルノ、アリべデルチ、ボーノで
やり過ごし、どうにもわからないときは「マンマミーア」で
誤魔化すという私なので、困っていると
中から少し英語のできる女性が「もうじき、マリア フランチェスコ本人が
帰ってくるからそれまで待って。彼は英語が話せます」と。
マリア本人?ゲッ、大事になってるけど、逃げ帰るわけにも行かず
ぽつんと、荷捌き場の端っこで待っていました。
しばらく待っていると、むこうから、少し足早にフランチェスコ氏登場!!
口ひげがダリのようでちょっと個性的なおしゃれな紳士。
会うなり早口のイタリア語でまくし立てると、英語に切り替え
「あなたはどこのバイヤーなの?」と聞くので
「私は旅行者でここの傘を買いに来ました。」
「ここは会社ですよ。傘が欲しいの?」
「ここでは買えないですか?ならば、市内で買えるお店が知りたいです」
とこんなやり取りをしていると、何度も、
「本当にバイヤーじゃないの?」と繰り返し聞くので
バッグから本人が写っている切り抜きを取り出し、
「日本から傘を買いに来ました。雑誌に載っていたこの住所に行ったら
こちらだと貼ってありました。だからここに居ます」と答えると
フランチェスコ氏はやっと信用してくれたようで
さらに、日本から切り抜き頼りにここまできた日本人が
初めてだったらしく(あたりまえか)ちょっと嬉しくなったみたいで
ニコニコしながら会社中を案内してくれました。
そこにはエルメス、ヴィトンなど
名だたる有名ブランドの出荷待ちの商品が置いてあったり、
日本のメーカーから発注された傘が完成して棚に並んでいました。
私がいちいち、「これ知ってる、あっここも知ってる」とか
リアクションしてるとまた
「本当にバイヤーじゃないの?」って、わざとニコニコしながら聞きます。
一通りみせて頂いた後に、本来の目的である傘が欲しいことをもう一度伝えると
可愛い肉厚の生地が張ってある傘本体を指して
「ここの中ならいいよ、何本欲しいの?」と聞かれたので
「えっ!?ここで買えるんだ。なら一本、あっ、やっぱり二本」と答えました。
友人の分も頼まれていたので、私のは水玉、友人のはストライプで
選び、持ち手の素材の希望を聞かれたので
チェリー、マラッカ、ウォールナッツ、バンブーの中から
「マラッカ」を選びました。
傘に持ち手をつけてもらう間、フランチェスコ氏のところには
傘の張りの具合や完成品の最終確認に職人さんが商品を持ってきます。
ヴィトンのカラフルな傘もチェックされていました。
お会計はいくらかな?日本の半分以下なら嬉しいななどと
思って待っていると、出荷伝票のような紙に金額をいれて
持ってきてくれました。
「えー???安い!!!」
「バイヤーではないんでしょ?
でも、このプライスはだれにも教えないで、秘密だよ」って
社員だってこの金額じゃ買えないんじゃないかと思う金額でした。
「やったー、来た甲斐あったね。」と心の中で叫んでいました。
安かったのは素直に嬉しかったけど、買うまでのエピソードが、
この傘の付加価値になったことは言うまでもありません。
帰りに、私が持ってきた雑誌の切り抜きをコピーさせてと仰るので
「プレゼントします」と渡してきました。
皺にならないようにファイルに入れていってよかった。
お土産に傘を渡した友人いわく、
「そんなに安かったら、もっと買ってくれば良かったのに~」だって。
わかってないな~、たった1本だからいいんじゃない、ねえ。
by louloutime
| 2012-06-26 10:00
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